消防博物館での出会い

消防博物館で手にした一枚のチラシ

車好きの息子を連れて訪れた消防博物館。館内を歩いていると、「消防団募集」と書かれたチラシが目に飛び込んできました。
(消防団って自ら志願して入れるものなのですね)

なんとなく、そのチラシを自宅に持ち帰り消防団について調べてみることに。

祖父の背中

祖父は長年、地元の消防団長を務め、その功績で勲章をいただいたこともある人でした。地元の花火大会では消防車の上に乗っていた祖父の姿。「消防!消防!」と声をかけながら出かけていく姿もぼんやりと記憶に残っています。

「人のために」という想いの原点

これまで私は、音楽や教育といった分野で、人の心に寄り添う仕事をしてきました。
けれどもどこかで、「もっと直接的に、人のためになることがしたい」という想いを抱いていたのかもしれません。

異常気象や地震など、災害が相次ぐ今の時代。「自分にも何かできることがあるのでは」──そう感じ、思い切って申し込みの連絡をしました。

出会い

入団手続きは驚くほどスムーズに進み、分団長さんとお話しする機会を得ました。入団の理由をお話しすると、分団長さんは

「実は私が団員だった頃の分団長は、あなたのおじいちゃんなんですよ」と!

祖父を知る方に出会えたこと、それがとても嬉しくて。母に伝えると、母もとても喜んでくれました。

祖父が教えてくれたこと

祖父はいつも穏やかで、人の心を労わる人でした。自治会やPTAなど様々な会で会長を務めていたのも、その人柄あってのことだと思います。

家族の反対を押し切って音楽の道を選び、音楽高校に進んだ私。努力を重ねて良い成績を収めるたび、祖父は「頑張ったね」ではなく、「続けることは大変だね」と優しく労ってくれました。

祖父自身は勉強が好きでしたが、家業を継ぐために進学を諦めたそうです。だからこそ、私の挑戦を誰よりも静かに、深く応援してくれていたのかもしれません。

そして今

高校を卒業し、いよいよ音楽の道に本格的に進もうというとき。卒業演奏会の数日前、祖父は突然この世を去りました。

それ以来、私はずっと「祖父のような生き方をしたい」という思いを心の片隅に持ち続けていた気がします。


今回、消防団のチラシを手にして電話をかけたのも、偶然ではないと感じています。

大きなことはできなくても、誰かの支えになれる存在になりたい。

そんな祖父の想いを、少しでも受け継いでいけたらと思います!

(本業ももちろん全力で続けます!!)